政治家の文章の慢性的なわかりにくさについて

政治家の言葉は明確であるべきです。

小泉純一郎元首相が人気を博した要因の1つに、「文章のねじれ」が少なかったことが挙げられると思います。

下記は、野田聖子衆議院議員が内閣府特命担当大臣就任の記者会見で話した言葉を、文章に書き起こしたものです。

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 宇宙基本法に基づき、設置される宇宙開発戦力本部において、副本部長として、本部長の内閣総理大臣を支え、平和主義の理念に則り、国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展等に寄するよう推進してまいります。
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これをTVなどで1度聞いただけで理解することは非常に難しいです。
そもそも、途中で聞き続ける気がなくなります。
私は何度聞きなおしたか覚えていません。

1つの文章で扱っているテーマが多すぎる上に、文章がねじれています。
ためしに、上記の文章から主語と述語を探してみてください。
すぐに見つかりますか?

主語は「私」。これは隠れています。
述語は「推進します」。(推進してまいります)

簡単な箇所だけ拾うとすれば
「私は宇宙開発戦力副本部長として、人類社会の発展等に寄するよう推進します。」
となります。

つまり、この文章で野田議員が伝えたかったことは、
「私の宇宙開発戦力副本部長としての『目標』は、国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展等の『推進』です。」
ということになります。

そう言えばいいのに、
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 宇宙基本法に基づき、設置される宇宙開発戦力本部において、副本部長として、本部長の内閣総理大臣を支え、平和主義の理念に則り、国民生活の向上、産業の振興、人類社会の発展等に寄するよう推進してまいります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こうなります。

私はこうした文章を作る政治家は少なくとも「説明力」においては二流だと思います。

仮に、意図的にこうした文章にしているなら過剰に保身的な政治家ですし、万が一、努力してこうした文章になってしまったのなら、日本語の使い手としては才能が無い部類です。


しかし、残念ながら、上記の例はかなり多くの政治家に当てはまります。


これは日本語という言語が抱える構造的欠陥でもあります。

英語で
 Play baseball I.
と書けば明確な誤文であって、これはレトリックの範疇を脱していますが、
日本語で
 野球をします、私は。
と書くと「倒置法」になります。

 野球をします。
と書くと、だいたいの日本人は「私」という主語が省略されていることに気づきますが、英語では
 Play baseball.
と書くと命令文になってしまいます。

日本語はたいていの書き方が「許されてしまう」のです。
つまり日本語の言語としての構造的欠陥です。

ですが、「日本語として許容されるからといって、構造が複雑で、格調<高そうな>文章を採用する」という行為は、『説明責任』を果たすべき『政治家』がするべきことではありません。


こうした構造が複雑な文章を政治家が使い続けることは極力止めるべきだと思います。
論点が不明瞭になり、聞き続ける気力が失せてしまいます。

自分の意見を示して票を得たい政治家にとっても、聴衆である有権者にとっても、共に害悪でしかありません。


「1度聞いただけで、発言者の言いたいことが理解できる文章になっているかどうか。」
これを政治家を選ぶ際の1つの基準とされてみてはいかがでしょうか。

theme : 政治・経済・社会問題なんでも
genre : 政治・経済

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プロフィール

Author:新井紀彦
日本人の政治への関心の低さが日本の政治力の低さ、日本の国政の悪さの根本原因と考えています。一人でも多くの日本人に、政治に対する高い関心と理解力を持ってほしいと思う次第ですが、何分私自身が未熟です。自己研鑽のために日々拙文を綴っています。

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